磯や堤防でのチヌ(クロダイ)釣りの代表的なスタイルには、「紀州釣り」と「フカセ釣り」があります。どちらも人気の釣法ですが、仕掛けや釣り方に大きな違いがあります。本記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。
1. 紀州釣りとは?
特徴
紀州釣りは、ダンゴと呼ばれるエサ団子を使い、海底付近でチヌを狙う釣法です。紀州(和歌山県)発祥とされ、主に防波堤や波止場で行われます。
仕掛け
- ロッド:3~6mの磯竿(1.2号~1.5号程度)
- リール:スピニングリール(1500番~3000番)
- 道糸:ナイロンまたはPEライン 1.5~2号
- ハリス:フロロカーボン 1.2~1.5号
- ウキ:棒ウキ
- ダンゴ:ヌカ・砂・押し麦・オキアミなどを混ぜた団子状の撒き餌
釣り方
- ダンゴを握る:ハリにエサ(オキアミやコーンなど)を付け、ダンゴで包む。
- 投入後、着底を待つ:ダンゴが海底で割れ、中のエサが流れ出る。
- アタリを待つ:チヌが寄ってきてエサをついばむのを待ち、アタリが出たらアワセを入れる。
メリット
- ポイントを定めやすい:ダンゴが同じ位置に落ちるので、チヌを寄せやすい。
- 根掛かりしにくい:仕掛けが底に落ちても安定しやすい。
- 潮の影響を受けにくい:潮が速くても釣りやすい。
デメリット
- ダンゴ作りが手間:適切な硬さや配合を考える必要がある。
- 待ち時間が長い:ダンゴが割れるまで待つため、即アタリが出にくい。
2. フカセ釣りとは?
特徴
フカセ釣りは、撒き餌を海中に漂わせながら、魚を自然に誘い出す釣法です。主に磯や堤防で行われ、チヌやグレ(メジナ)釣りで広く使われます。
仕掛け
- ロッド:4~7mの磯竿(0.8号~1.5号程度)
- リール:スピニングリール(1000番~3000番)
- 道糸:ナイロンまたはPEライン 1.5号前後
- ハリス:フロロカーボン 1.2~1.7号
- ウキ:円錐ウキまたは棒ウキ
- 撒き餌:オキアミや集魚剤を混ぜたもの
釣り方
- 撒き餌をまく:魚を寄せるために、定期的に撒き餌を投入。
- 仕掛けを投入:ウキとハリスを自然に漂わせ、潮に乗せる。
- アタリを取る:ウキが沈むなどの動きが出たら、アワセを入れる。
メリット
- 広範囲を探れる:潮に流されながら自然にエサが広がる。
- リアルな食わせ方ができる:自然に流れるエサに魚が違和感を持ちにくい。
- 即アタリが出ることも:ダンゴ割れを待つ必要がない。
デメリット
- 潮の影響を受けやすい:潮が速いと狙ったポイントに仕掛けが届きにくい。
- 撒き餌が重要:撒き餌と仕掛けの同調がうまくいかないと釣れない。
- ウキの操作に技術が必要:潮の流れや風を考慮して調整する必要がある。
3. どちらが初心者向き?
- 紀州釣りは、仕掛けがシンプルで、根掛かりが少ないため、初心者でも比較的取り組みやすい釣法です。
- フカセ釣りは、潮の流れを読む技術が必要で、ウキの操作や撒き餌の同調が求められるため、やや上級者向けといえます。
4. まとめ
- 紀州釣りは「ダンゴを使い、海底でチヌを狙う釣り方」。潮に影響されにくく、安定した釣果を狙いやすい。
- フカセ釣りは「撒き餌と仕掛けを潮に乗せ、自然に漂わせる釣り方」。広範囲を探れ、即アタリが出やすいが、操作にコツがいる。
どちらの釣法も魅力があり、釣り場の状況や自分のスタイルに合った方法を選ぶことが大切です。初心者はまず紀州釣りから始め、慣れたらフカセ釣りにも挑戦してみると良いでしょう。
あなたはどっち派?
紀州釣りとフカセ釣り、それぞれの良さを理解し、自分に合った釣り方を見つけてください!
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